
今回の金融危機
私は今回の危機に際し、市場の効率性を再確認したというと、多くの人は反発するかもしれない。最近は落ち着いてきたが、この間、株価と企業のファンダメンタルズはほぼ一致しており、市場が大暴落するのは当然である。(保有資産の価値の毀損にも注目)歴史を紐解くと、バブルが存在するとすれば、何らかの形で、「政府の保証」や何らかの政策がかかわっており、特に不動産市場においては、純粋な市場ではありえないような価格が形成される。個人的には、リーマン危機の直前、J-REITに手を出そうと思ったが、物件の老朽化などを懸念して、結局購入せず、損をしなかった。市場というのは、たとえ各々の参加者が、個人としては非合理的な行動をとっても、全体としては知識の驚くべき集約化がなされ、非効率な側面が見られても、決して永続化することはない。
私見では、バフェット氏はアメリカ文化(マクドナルド、コカコーラなど)そのものを購入したのであって、典型的なバイ・アンド・ホールド。経済が成長すれば、それだけ彼の資産は増えていくだろう(最近はどうなったか知らないが)。大衆的な文化はそれほどめまぐるしく変化しない。したがって、彼の戦略は「妥当」であり、効率的市場仮説と矛盾するようには思われない。
どんな世界にも異常値、あるいは異端者には何らかの意味がある。新しい現実の始まりを告げるものとして捉えるべきだろう。異端的発想もいずれは一般化される。
私の文章は、書評としては的外れだが、私自身としては、効率的市場仮説におけるデータ集...
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